学際デザイン研究領域とは DESIGN
Diploma Policy
旧きを知る文化・伝統の探求力と、未来を構想するデザイン思考の創造力という両軸を主とした学際的実践によって、地域、社会に対し、創造的に働きかける高い構想力を身につけた人材の輩出を目的としています。
これからの社会に必要な思考力を養う
今、社会が求めるのは、社会の課題を解决し、人類の新たな価値を創り出す「創造的な思考能力」です。ビジネスの世界でもデザインや芸術的感性が重視されつつありますが、方法論をしるだけでは不十分です。個々の芸術に対する理解を深め、洗練された創造的思考を養い、新しい価値やビジョンを示すためにも、社会と芸術との新たな関係から探る必要があります。
高度学習の拠点へ
学際デザイン研究領域は2020年にスタートした100%
e-learningの修士課程です。「デザイン思考による創造」と「伝統文化の探究」を両軸として、暮らしや社会の課題に対し学際的に探究するコースです。全国から幅広く人材を集めるために「オンライン大学院」として開設します。
本領域では、芸術修士=MFA(Master of Fine
Arts)を修得することが可能です。流行のように扱われるデザイン思考やリーダーシップ教育とは一線を画し、自らのヴィジョンの確立をふまえて社会に提案するために、徹底したグループワーク(共創)によるカリキュラムを設計しています。短期のセミナー等で得られる性急なスキルアップではなく、地道な探求と考察の積み重ねによって得られる「体得」を目指します。
本領域におけるマスターとは、修士号(=master)のみならず、自分の取り組むテーマにおいて、「物事の本質をつかみ、それを的確かつ魅力的にするための問いを見つけること」と、それによって、そのテーマの「問題を解決しようと実践したり、実践の支援をすること」のマスター(修得者・駆使できる人)になるということだと考えています。
教員紹介
TEACHER
早川 克美
1964年、東京都生まれ。
F.PLUS代表。環境デザイナー
武蔵野美術大学造形学部工芸工業デザイン学科卒
東京大学大学院学際情報学府修了(学際情報学)
GKインダストリアルデザイン研究所を経て、独立。
「人と空間」の最適な関係を構築する環境デザイナー、「学習環境のデザイン」をテーマにした研究者、「感性・知性を育む学び」を推進する教育者として、3つの活動の有機的な連携に取り組んでいる。著書に「デザインへのまなざしー豊かに生きるための思考術」(藝術学舎出版)がある。グッドデザイン賞金賞、JCDデザインアワード審査委員特別賞、SDA賞サインデザイン優秀賞、キッズデザイン賞ほか、受賞多数。趣味は上手くならないながら夢中なサーフィンとウクレレ。
浅井 由剛
1967年、静岡県沼津市生まれ。
株式会社カラーコード代表取締役・アート思考研究会代表幹事・静岡県地域づくりアドバイザー。
武蔵野美術大学造形学部空間演出デザイン学科卒。
大学卒業後、3年間、世界各地で働きながらノマド生活を送る。
その際に触れた、多様な価値観、生活様式の違いが本格的にデザイナーに進むきっかけとなる。帰国後、食品雑貨業界、二輪業界を経て2008年株式会社カラーコード設立。デザイン制作をするかたわら、ノンデザイナーのためのデザイン講座、企業研修の講師をはじめ、子ども達とローカルマガジンを作る、創造性育成プログラムをおこなっている。現在は、アート思考、デザイン思考を活用した地域づくり、観光ブランディングを大手企業と協働している。
野村 朋弘
1975年、北海道生まれ。
著書に『諡 −天皇の呼び名』(中央公論新社)、『伝統文化』(淡交社)、編著に『史料纂集 宇治堀家文書』(八木書店)など。
詳しくはhttps://researchmap.jp/t-nomura
幼少の頃から歴史好きに育つ。「歴史では食べていけない」といわれ、工業高校に進学。上京して郵便局員として公務員生活を10年ほど。その間に大学に二度入学し史学科で日本中世史を専攻。職場で異動の話が出たので通学出来なくなると思い、公務員生活にピリオドを打ち大学院へ進む。それからは持って生まれた器用貧乏さで、歴史学のデータベース構築を母校の國學院大学や、東京大学史料編纂所で行う。「あれ、野村くんって歴史のひとだっけ?」といわれながら、さまざまな分野に迷い込み現在に至る。
下村 泰史
1964年、東京都生まれ
東京大学農学部農業生物学科緑地学専修卒業。
住宅・都市整備公団(現・都市再生機構)の技術職員として、都市設計の実務経験を積む。2000年以降は京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)にて教鞭をとるとともに、いくつかのNPO法人の立ち上げや運営にも関わる。ダム水没集落を灯りによって再現するインスタレーション、区画整理地区における町割の研究、伝統を再解釈した盆踊り歌づくりワークショップなど、さまざまな角度から共同体の中に立ちのぼる風景を模索し続けている。一級造園施工管理技士、一級土木施工管理技士、技術士(建設部門:都市および地方計画)、博士(農学)。著書に「はじめての生態学 森を入り口に」(2019、藝術学舎)、「京の筏ーコモンズとしての保津川」(2016、ナカニシヤ出版、共著)、論文に「近代京都の土地区画整理事業地における町割についての研究」など。