限界集落住民が暮らしの中にあるありふれたものの価値に気づくゲームデザイン
- 早川ゼミ
早川ゼミBチーム
青柳 圭祐
伊藤 孝広
沖本 俊明
松田 眞理
守本 陽一
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【背景】
近年、65歳以上人口の割合が5割を超える限界集落が増加し、廃校・行事の衰退・集落消滅等が問題となっている。住民は生きがいを持ち、満足度が高いとされるものの、その要因は明らかになっていない。地元学では、住民が地域の魅力に気付くことは地域づくりにつながるとされる。住民自身が限界集落の価値を再認識するにはどうすればいいかを明らかにする。
【観察・共感】
限界集落住民17名に日常の暮らしについて半構造化インタビューを行った。住民は自らの暮らしを多弁に語るものの、コミュニティや農業等の日常の暮らしを価値として自ら語ることはなく、我々との対話を経て、日常の暮らしの魅力が住み続ける理由であることに気づいた。
【問題定義】
限界集落の魅力は日常の暮らしを構成するありふれたものであるが、住民自身は認識できていないことがわかった。限界集落住民が限界集落での日常の暮らしの中にあるつながり、生業、地域活動などのありふれたものの価値を再認識するにはどうすればいいかと問題定義した。
【プロトタイプ・テスト】
限界集落住民が暮らしの中にあるありふれたものの価値に気づくゲームデザインを制作した。日常の暮らしを列挙すること、ありふれた価値に住民が気づくこと、対話によって気づきを促すことを盛り込んだ。限界集落住民に対して、プロトタイプを実施した。体験した住民の語りから、価値を再認識することができ、日常の暮らしを考えるきっかけになったことがわかった。一方で、ゲーム性の評価は芳しくなかったため、イベントを回避できる仲間カード等の要素を追加した。また、地域づくりへの行動変容を促すため、地域づくりの実例集としてのアクションカード及び振り返りのためのワークシートを追加した。
【結語】
このゲームによって、住民の主体的な語りを引き出し、日常の暮らしに根ざした形で地域づくりを行うという行動変容を促すことができると考えられる。