種子島西之表市榕城校区の風土記
- 野村ゼミ
野村ゼミDチーム
上本 知美
成毛 純太郎
横山 義之
平松 真子
磯部 弘成
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【概要】
種子島は鉄砲伝来や世界一美しいと言われるロケット発射場で知られ、さまざまな文化や自然環境、交流の結節点である。最も人口が多い西之表市榕城校区において、重層的に存在している文化資産が相互に影響を及ぼしているのではないかと考え調査を行った。地域住民が榕城校区に存在する文化資産を継承していくために、文化資産同士の関係性への理解を深め、想いを共有する場となるプロトタイプを創出した。本研究では「地域の人々と、観光客を含む地域外の人々で、現存する個々の文化資産と風土との関係性を作り上げていくもの」を風土記の定義とした。
【内容】
地域の価値や課題を見出すために、各分野の関係性を整理し、時間軸と空間の関係をマップ化した。この関係性マップにより、文化資産は、歴史と空間の中で周辺の地域資産と関係性があることが分かった。
客観的な調査内容に、内部視点を加えるため、榕城校区の住民を対象にアンケート調査を実施。文化資産の知名度や住民が認識する課題等をKJ法により分析し、グループ課題を『榕城校区に現存する文化資産同士の関係性への住民理解が低い』とした。関係性が忘れられてしまうことで、個々の文化資産が独立し、担い手や語り手がいなくなり、消えゆく文化資産となってしまうことが問題点であると考えた。個人研究では各自が文化資産を活用したプロトタイプを作成、その後の議論から課題解決に対する施策を創出した。
“榕城校区の住民が知人や観光客に共有したいこと”や、“観光客が感じた榕城校区のおすすめ情報”を自由に記載できる、双方向性のあるコミュニケーションボード『YOJO Re:sharing Board』を設置し、“榕城校区に関する情報” が自然に集まりシェアされ、更新されていく環境構築を狙う。
初年度はトライアルを行い、その後地域との連携による実装を目指す。運営費用は離島対象の補助金等を活用、地域の団体と連携、協議を行いながら、地域が主体的に文化資産の関係性への理解を深め、文化資産を活用して地域の価値を高めることができる取組とする。