教育 EDUCATION

学びの仕組みは、社会構成主義の「知は個人の中ではなく集団の中でわかちもたれている」という考え方を背景として、徹底したグループワークを採用します。わかちもたれる集合知の形成過程に、自分が能動的に深く関与しているという実感(体感)を意識させるために、次の5つのステップを実施しています。

  • オンデマンドの映像教材による知識学習
  • 自らの設定したテーマについての調査・観察
  • 思考の外部化・視覚化
  • 個人の学習からグループワークによる議論という客観・俯瞰・検証
  • 議論を深め、意見の統合によって成果を提示

 なお、1〜3の個人ワークの各ステップはグループ内で発表し、学生同士でクリティークを行うことで、ピアラーニング(仲間と学び合う)を強化しています。

 また、この一連の経験は、最初の半年は、あえてWeb会議を使わず、Facebook社のWorkPlaceというSNS環境によるテキストベースで進められます。テキストにすることで発言数が公平となる他、思考の外部化・視覚化に有効だからです。
 5つのステップは、ただ教室に座って授業を受けている状態よりも、ステップごとに「自らの選択に責任を持つ」ことを求められるため、主体的な参加意識のもとに、知の体得が実現するという仕掛けです。集中~収集~拡散~俯瞰~集約という、意識の変化は身体のセンサーを刺激し、メンバー間のパラレルで平等な議論展開は、相手の立場を想像する感受性に働きかけることでしょう。


カリキュラム
CURRICULUM

Curriculum Policy

  • デザイン思考への理解と創造、デザイン調査分析方法を学ぶ講義および演習科目
  • 伝統的な文化の調査探求方法を学ぶ講義および演習科目
  • それらをふまえて、自ら具体的な問いを立て、創造的に問題解決をはかる思考プロセスを実践する研究指導科目

まなざしと方法論を学ぶ

分野特論

デザイン概念研究
デザインという概念の変遷を、社会とデザインの関わりや、デザインの歴史からひもとく。また、さまざまなデザイン思考について、その成立の背景およびプロセスを探る。
デザイン調査法
調査法を多面的に取り扱い、研究の基礎として位置づける。 具体的な質的調査法・地域デザイン調査法の手法について、課題による実践を通して学ぶ。
伝統文化研究
伝統文化の定義や日本文化の大きな流れを知るとともに、形式分析や文化的分析など、ものごとのとらえ方について学ぶ。
伝統文化調査法
論文の構造をはじめ、文献のリサーチ方法や図書館の利用法、論文の分析方法について学び、今後の研究の基礎とする。

実践的な力を身につける

演習

デザイン概念研究
個人のビジョンを具体化するプロセスを、デザイン思考によって 実践。実現したい世界を形にするための、ビジュアル思考・プロトタイピング技法を学ぶ。
デザイン調査法
調査法を多面的に取り扱い、研究の基礎として位置づける。 具体的な質的調査法・地域デザイン調査法の手法について、課題による実践を通して学ぶ。
伝統文化研究
伝統文化の定義や日本文化の大きな流れを知るとともに、形式分析や文化的分析など、ものごとのとらえ方について学ぶ。
伝統文化調査法
論文の構造をはじめ、文献のリサーチ方法や図書館の利用法、論文の分析方法について学び、今後の研究の基礎とする。

創造的提案としての最終成果

研究

「新しい価値を創造する(早川克美ゼミ)」「歴史ある対象を今に活かす(野村朋弘ゼミ)」の方向性からいずれかを選び、 グループワークで課題を設定。解決へのプロセスを実践することで、価値の可視化を図る。


ゼミナールの特色
FEATURE

修士課程2年(M2)の学際デザイン研究科目は、
2つのゼミに分かれます。

  • 社会への観察を起点として問いを立て新しい価値を創造する早川ゼミ
  • 地域の歴史を探求し文化資産として利活用する方策を創造する野村ゼミ

ゼミは希望制ですので、希望のゼミに入ることができます。ゼミに分かれると、指導教員が学生を5名のグループに振り分けます、M1の1年間、様々な授業でその都度異なるメンバーとのグループワークを経験しているので、教員はその活動をふまえて慎重にグループ分けを行います。
ゼミでは、地域・社会に対し、自らの問いを持ち創造的に働きかけることを課します。各グループとなってから修士研究のテーマ・課題を議論によって決めます。そして、グループワークで解决へのプロセスを実践することで、価値の可視化を図ります。


最終成果は、グループワークによる提案と、その成果に対する個人の問題意識からの研究活動報告書の2点を提出していただき、これが修士論文となります。
社会性・独自性・新規性・実現可能性を軸に評価を行います。