チームの創造性を高めるための「青春ノスタルジア効果」の活用に関する研究
- 早川ゼミ
早川ゼミAチーム
大石 信行
小野(杉田) 和香
金澤 剛史
塩田(清水) 雅理
田浦(柴田) 加奈子
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イノベーションに重要な「チームワークにおける創造性」を⾼めるための要素として、我々は「⻘春」に着目した。個人が⻘春を振り返ることは、ノスタルジア感情を生み、多様なポジティブな効果をもたらすことが先⾏研究で⽰されており、創造性向上効果もその一つである。しかし集団を対象とした知見は少ない為、「⻘春をトリガーとするノスタルジアはチームの創造性にどのような影響を及ぼすか」をリサーチクエスチョンとした。
研究でははじめに、アンケート、青春コミック分析、高校での参与観察などを実施し、ノスタルジア感情を喚起する青春の五感要素や感情を抽出した。次に、それら要素を組み込んだ刺激剤(①青春の五感要素を入れ込んだ「青春タイムトラベル映像」、②青春時代ならではの五大感情に纏わる「青春エピソード共有シート」)を作成し、青春刺激付与群における集団創造性への影響を検証した。(図1)
青春刺激付与群は非付与群と比較し、集団創造性の3指標「流暢性・柔軟性・独自性」いずれも有意に高い結果となり、青春をトリガーとするノスタルジアにはチームの創造性を高める効果があることが分かった。(図2)
この効果を「青春ノスタルジア効果」と定義し、我々は「青春ノスタルジア効果を活用したチームの創造性を高めるキックオフツールのデザイン」に取り組んだ。(図3)
実験用刺激剤を改定・アレンジした「青春タイムトラベル映像」と「青春トークルーレット」を中心アイテムとし、青春トークを盛り上げるサブアイテムを一つのキットとした。試用テストを踏まえ、「青春デリバリーボックス」を完成させた。(図4・映像1)
リモートワークが浸透し、働く場所が多様化する中、「メンバーが集まる場所に青春も一緒にお届けする」というコンセプトで、飲食物と共にデリバリーする構想である。初対面同士のメンバーであっても、楽しく青春トークを繰り広げることで、創造的なチームの素地づくりができるアイテムといえる。
今後は、このアイテムをベースに体験設計をさらにブラッシュアップし、日本の多くのチームに対する”青春の社会実装”に取り組んでいきたい。