「大阪のおばちゃんことば」を用いて小さな援助行動を促す、きっかけのデザイン

  • 早川ゼミ

早川ゼミCチーム
青山優里
長谷川霞
塚田泰弘
中嶋隆
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「日常の小さな援助行動があふれる社会をつくりたい」という思いから、「助ける」という行為に焦点をあて、小さな援助行動を促す「何か」を探求するための研究である。

1.「大阪のおばちゃんことば」への着眼
はじめに、援助行動をよくする人とそうでない人へのインタビュー調査を実施した結果、大阪にゆかりのある人は援助行動において、特徴的な思考・行動を有していた。中でも大阪のおばちゃんに最も特徴的に見られる「相手のことを自分のこととして同一化する力」は、大阪の文化・歴史的土壌(商人文化)にある大阪の(協調的・並列的)笑いと表現方法としての(開放的・共同性)方言が寄与していることがわかった。

これを踏まえ、各種媒体から相手が困っている、助けてほしいという要求に寄り添う要素を含むフレーズを絞り込み、「大阪のおばちゃんことば」を抽出した。さらに、107名に共通語との声がけのしやすさの比較調査を行い、8つのうち7つで「大阪のおばちゃんことば」の方が声がけがしやすいという結果が得られた。結果を元に調整を加え、8つのフレーズを「大阪のおばちゃんことば」として定義した。

2.ワークショップのデザイン
定義した「大阪のおばちゃんことば」を活用し、日常の小さな援助行動のきっかけとして使うことを習慣化するための最適な手段としてワークショップを採用した。2時間の集合ワークショップと、LINEでコミュニケーションをとりながら進める1週間のチャレンジワークショップの二部構成から成る「「大阪のおばちゃんことば」で声がけの達人になろう 〜優しい自分を再発見〜」を作成した。
このワークショップを7回、計22名に実施し、参加者の反応をもとに、チーム内のコミュニケーションや気づきコメントが活性化するようにワークショップに改良を加えた。

3.ワークショップの効果
定量効果検証から、「フレーズを知り、体験する」「きっかけとしての発話」をプロトタイプの軸
とした期待値に対する効果があったことが明らかとなった。さらに「大阪のおばちゃんことば」
や「援助行動を促すきっかけ」を「(音として)きく」「話す」「使う」ことを通して、期待す
る行動変容(「フツウ」の大人が、援助行動する場合、大阪のおばちゃんであれば、どのような
行動をとるのか、認識できるようになる)を促す効果もあった。結果、当初必須と定義していた
領域以上に広い領域まで参加者が体験・習得したと言える。

今後、2025年開催予定の大阪万博を含めたボランティアやチーミングの研修などでの活用を、企
業や自治体と検討していく。