種子島西之表市榕城校区の風土記─コミュニケーションボードの活用と検証─

  • 大学院研究員

平松 真子
横山 義之

研究概要

 2022年度野村ゼミDチームでの共同研究「種子島西之表市榕城(ようじょう)校区の風土記」において、“榕城校区の住民が知人や観光客に共有したいこと”や、“観光客が感じた榕城校区のおすすめ情報”を自由に記載でき、 “榕城校区に関する情報” が自然に集まりシェアされ、更新されていく環境構築を狙った、双方向性のあるコミュニケーションボード『YOJO Re:sharing Board』を設置することを提案した。このボードの活用により、校区に現存する個々の文化資産と風土との関係性への理解を深めてもらいたいと考えている。対象は主に地域住民とするが、観光客などの外部の人にも参加してもらえる仕組みとする。
 この提案の背景は、種子島の中で最も人口が多い西之表市榕城校区には数多くの文化資産が存在しているが、それら文化資産同士の関係性への理解が低く、それらが独立することで、担い手や語り手がいなくなってしまい、消えゆく文化資産となってしまうことが問題であると考えたからである。チーム内で、それぞれの文化資産について時間や空間を軸とした関係をマップ化することで、地域の中で他の資産との関係性が多くあることがわかった。個々の資産ではなく、それらの関係性への理解を深めることで、その価値を再認識し、コミュニケーションボードの活用によって、地域への想いを共有できることができればと考えている。
 2023年度は実施の具体的な方法として、ボードの内容の精査、場所の確保などを行い、2024年度早々に実装に先駆けたトライアルの実施を行う予定である。トライアル期間には、記入者の属性の把握と共に、定期的にボードを撮影し、その内容を確認、検証していく。その後、地域の団体と連携、協議を行いながら実装を目指す。運営費用は離島対象の補助金等の活用を検討する。

研究活動と成果

2023年10月 IDS2期野村ゼミ研究員 研究シェア会にて発表

今後の研究活動

2024年度にトライアルを実施し、本格的な実装に向けて効果測定、検証、地域との協議を進め、補助金申請を目指す