チームの創造性を高めるための「青春ノスタルジア効果」の活用に関する研究
- 大学院研究員
小野(杉田) 和香
塩田 雅理
田浦(柴田) 加奈子
研究概要
■研究背景・目的
修士研究では、青春をトリガーとするノスタルジアがチームの創造性にもたらす効果について研究、”青春ノスタルジア効果”を活用したチームの創造性を高めるキックオフツール「青春デリバリーボックス」の開発に取り組んだ。その研究を踏まえ、今年度は、「青春デリバリーボックス」の使用体験設計をさらに精緻化、ブラッシュアップし、社会実装に向けて取り組む。
■研究方法
次の2点を並行して検証していく。
1.社会実装する上での需要性とその実装形態の検討
1-1.ユーザー像を特定し、その需要性を検証する。
1-2実装する際の実装形態・販路の検討、交渉
2.キックオフツールの改訂
2-1.キックオフツールに入れ込むべき要素の再点検
ノスタルジアを喚起する青春要素のうち、どの要素がチームの創造性を高める効果が
あるのか、その影響の優先度を特定する。
2-2.キックオフツールの要件定義
1を踏まえ、どのようなツールが最適であるか、再検討する。
その際、ユーザーペルソナと照らし合わせながら、最適な要件を整理する。
2-3.キックオフツールのデザイン改訂
1.2を踏まえ、ツールの内容構成、意匠デザインを再検討し、
プロトタイプの改良を行う。
2-4.プロトタイプの試用テスト・更なる改良
改良したプロトタイプの試用テストと更なる改良を行う
■期待する研究成果
社会実装にあたり、市場性を検証し、その市場性に合わせた設計を行うとともに、効果をより享受しやすい仕様の検討を行い、より価値の高いツールの完成を目指す。
研究活動と成果
青春をトリガーとするノスタルジアがチームの創造性にもたらす効果を活用した、チームの創造性を高めるキックオフツール「青春デリバリーボックス」をベースに、その中でも、ユーザーにとって「使いやすい・使いたくなるもの」とはどんなものか?という観点から、ツールの絞り込みを行い、「青春エピソードトークを誘発しやすくするツール」の使用体験設計をブラッシュアップした。
青春デリバリーボックスにおいては、ルーレット型を採用していたが、より「使いやすい仕様」と「魅力的な意匠デザイン性」を備えたツールの開発を目指した。
”クリエイティビティ”と”青春”をイメージさせるデザインモチーフとして「青リンゴ」を採用、「青春青リンゴ」というコンセプトを設定した。そのもとで、素材や構造を検討しながら、試作品の制作に取り組んだ。
試作品の素材の検討にあたっては、木材、プラスチック、紙粘土、硬度の高い発泡スチロールなどを検討した。また構造の検討に当たっては、付箋型、ブロック型などを検討した。現在、最適な素材・構造の検討段階である。
今後の研究活動
今年度は、青春エピソードトークを誘発し、チームの創造性を高めるキックオフツール「青春青リンゴ」の開発を引き続き行う。ツールの素材や構造の検討を重ね、プロトタイプの試用テスト、更なる改良を進める。また、社会実装していくためのルートの検討も行う。