まちへの関係人口を促すための参加のデザインに関する研究

  • 大学院研究員

村上 泰介
河﨑 太平
水谷 光佑
大司 奈緒
平川 幹子

研究概要

現在の日本社会は少子・高齢化や人口減少のトレンドが顕著となってきており、都市近
郊の市町村では地域課題としてまちづくりのための人材が不足するなどの現象として
顕在化してきている。

研究活動と成果

まち RPG のゲーム性の向上のため、クエストに NFT 技術を取り込むことを考案し、
NFT の稼働実績を持つ事業者とコラボレーションすることとした。また、システムを
作りこむ過程において、WEB 上で稼働するアプリケーションも試作することができ、
パッケージとしての精度を上げることができた。
また、福岡県古賀市が実施する「令和 6 年度古賀市まちづくり実証実験事業」の公募
に応募し、採択に向けて取り組んだ。
結果としては不採択であったが、プロポーザル審査において高得点を得ることがで
き、自治体のニーズとしても関係人口の創出と地域課題の解決を結び付ける取り組み
への一定の評価があることを確認することができた。

今後の研究活動

今後の研究活動として、2つの面から進める必要があると考えている。
一つは、まち RPG の製品としての完成度を高めることであり、NFT の実装をはじ
めとした取り組みを事業者とともに進める予定としている。
もう一方は、地域住民(クエスト提供者)及び地元自治体との緊密な連携体制の確立
である。
昨今、「地域」の在り方が急速に変化しており、隣組や自治会が成立しない、もしく
は機能不全に陥る状況になりつつある。これは、住民の孤立を伴うものであり、深刻な
傾向であると考えている。
これらの傾向が地域課題として顕在化してくると、自ずからクエストの内容も変化
すると考えられる。
そのためにも、地域住民及び地元自治体との良好な関係性を構築し、どのような関係
人口を呼び込むことが地域課題の解決や地域の魅力向上につながるかの意識統一をしておかなければならないと考える。