個人の主観的Well-beingを高める小さな習慣「そらウェル」の提案
- 早川ゼミ
早川ゼミCチーム
米盛 絵理
平田 裕子
木田 和海
松本 智子
松本 悠揮
「個人の主観的Well-being(以下WB)をどのように高められるだろうか?」という問いのもと、研究を進めた。
【観察・共感・洞察】として、アンケートを実施した。Dienerの「人生満足尺度」、前野隆司の「幸せの4つの因子」の指標を問うとともに、WBを感じる場面や障壁などを自由記述で書いてもらい、433件の回答を得た。指標で有意な差が見られたのは同居人数で、単身世帯はスコアが低い傾向にある。そこで、1人暮らしでスコアが高い人・低い人、計6人にインタビューを実施し、行動と考え方の両方の習慣が重要だというインサイトを得て、WB向上メカニズムの仮説を立てた。
1.外発的刺激で行動が始まる
2.効果を実感すると、続けるモチベーションが高まる
3.習慣化した行動が習慣的考え方にも影響し、中期的時間軸でWBの高い状態となる
4.内省・自己理解が進むと、長期的時間軸で人生全体のWBが高まる
続く【創造・視覚化】では、1人暮らしでWBがあまり高くないペルソナ像を具体的に想定し、アイデアを出し合う中で、
1.日常生活で実践できる=晴れではなく褻の体験である
2.Tiny habits(小さな習慣)として継続を促す
という2点が軸に定まった。
辿り着いたサービスが「そらウェル」である。スマートフォンで日々空の写真を撮り、コメントと共にアプリに投稿する。撮影対象が空なのは、空を見たり見上げる体勢になったり外に出たりすることでの効果、撮影対象を考える心理的負担の軽減を意図している。
撮影自体が気分転換になる上、蓄積されていく自分の投稿を閲覧したり、所定の投稿枚数・期間を達成すると届くコラージュ絵葉書・カレンダーを見たりすることで内省が促される。「そら とる・ためる・ふりかえる」という「マインドそらネスループ」がWB向上に資する。
なお、【プロトタイプ検証】として、
1.チーム内検証
2.45日間検証(7名、うち、1名は2週間で離脱)
3.2を受けた改良版での3週間検証(10名)
の段階を踏み、改良を図った。体験前後で、「失敗や不安な感情を引きずらない」といった因子や人生満足尺度が改善することが確認されている。